2016年10月4日
『スローオンスイーツフェスティバル』を開催
「間食やおやつが健康や減量に悪い」は過去の話
「間食」や「おやつ」と聞いたら、どんな印象を抱くだろうか? 食事療法でもっとも注意を要する食品、良くないと分かっていながら、ついて手が伸びてしまう・・・と思っている人が多いだろう。
しかし、「間食やおやつが健康や減量に悪い」というのは過去の話だ。最新の栄養学では、「上手におやつを食べると太らない」と考えられている。
一般的に洋菓子と言われるケーキ・クッキー・チョコレート・マドレーヌ・ティラミスなどのようなスイーツは、糖分と脂肪が多く高エネルギーのものが多い。飲み物では、糖質の多く含まれる炭酸飲料やコーヒー飲料についても注意が必要だ。しかし食べてはいけないわけではない。間食をする食品の内容を選ぶことが大切だ。
体を作り、動かすためのエネルギー源となる重要な三大栄養素は、炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質の3つ。このうち糖質は、からだを動かす主要なエネルギー源であるとともに、脳を活動させるために必要不可欠なものだ。
・ 間食を上手に摂ればカロリーは増えない
間食で大切なのは、食べすぎないように工夫をすること、1日の栄養素の不足が補えるような種類を選ぶことだ。体重が増えてしまう理由はシンプルで、「1日の総摂取カロリーが消費カロリーを超えている」場合だ。間食を上手に摂れば総摂取カロリーが増え過ぎることはない。
間食の役割は、ただ空腹を満たすだけではない。ストレスを解消し、集中力を維持するのにも役立つ。上手に間食を摂ることで、ストレスなく集中力を維持でき、仕事も勉強もはかどる。
・ 間食で栄養バランスを整える
1日の栄養バランスを考えて間食をすることができれば理想的だ。3食の食事だけで、十分な栄養を摂りきれている人は、そう多くはいない。タンパク質が足りない、カルシウムやミネラルが摂れていないなど、栄養バランスが偏ってしまいがちだ。そんな人は、足りない栄養素を間食で補えば、1日の栄養バランスを整えることができる。ヨーグルトはカルシウムやタンパク質などの栄養素の必要量を満たすのに役立つ。
・ よく噛んで食べると満足感を得やすい
血糖値が急激に上がるとインスリンが大量に分泌される。それは血糖値を早く下げるためだ。インスリンには、使いきれなかった糖を脂肪に変えて蓄える働きがあるため、大量に分泌されると、太りやすくなる。
食事はゆっくり時間をかけて、よく噛んで食べることが、とても大切だ。1回の食事に最低でも15分くらいかけて、ゆっくり食べると、満腹感を得られやすく食べ過ぎを防げる。よくかまずに食べると、短時間にインスリンの分泌を増やすことになる。かまずに飲み込むように食べ物を口に入れている人は要注意だ。
ゆっくりよくかんで食べるには、食物繊維の豊富な野菜やきのこ、海藻などのおかずを積極的に食べると効果的。一口食べるたびにテーブルに箸を置くと、早食いを防ぐのに効果的だ。
・ 運動をするときに糖質は必要
食後の運動も大切だ。食後30分~2時間は血糖値がもっとも上がる時間帯なので、この時間帯は、ごろりと横にならず、体を動かしていることが大切だ。
運動する2時間前までに間食を摂ると、エネルギー源となる糖質などがしっかり吸収されて、体全体にゆきわたる。空腹のまま運動を始めてしまうと、血液中のブドウ糖が不足をして低血糖症になるおそれがある。
また、運動後に何も食べないと、筋肉を分解してまで脂肪に変えてしまい、次の食事をした時に必要以上に体内に脂肪をためこんでしまうおそれがある。運動後は運動で使った筋肉のグリコーゲンを回復させるために、タンパク質や糖質を補うと良い。
・ 砂糖の甘味は食生活を豊かにする必要な栄養素である炭水化物を、ゆるやかに吸収させることは、血糖値にも肥満にも、豊かな食生活にも、大きく関わってくる。砂糖は甘さをつけるだけの調味料ではない。お菓子も砂糖がないだけで食感が全く異なり、料理に少しの砂糖を加えるだけで、コクが深まるなどおいしくなる。
砂糖の甘味を感じると、脳内でセロトニンやエンドルフィンなどの精神を安定に保つ物質が分泌され、リラックス効果が生まれる。疲れたとき甘い物を食べたくなるはこのためだ。
糖質制限食の落とし穴?
ごはんやパンなどの炭水化物(糖質)を多く含む食品は、食後の血糖値を急激に上昇させる。そこで、糖質の多い食品をある程度控えるのが糖質制限食だ。糖質制限食は一大ブームを巻き起こしたが、「いったんは体重が減ったが、その後にリバウンドした」という人も多い。
また、血糖に影響するからといって、糖質を摂らないと、栄養バランスが悪くなるうえ、食事の満足感が得られにくいので、かえってタンパク質や脂肪などを過剰に摂り過ぎてしまう。また、脳は主に糖質をエネルギー源とする。脳は糖質を利用できなくなると機能低下などを起こしやすくなる。
カロリーがある食品が「血糖値を上昇させる食品」とは限らない
血糖値は食後に上昇するが、正常であれば食後に血糖値が140mg/dLを超えることはほとんどなく、2~3時間以内には前の値に戻る。食後血糖値の目安や治療方法を示した国際的な指針では、食後2時間の血糖値が140mg/dLを上回る場合を糖尿病の「境界型」と定義している。
「血糖値が上がりやすいのは、カロリーが多い食べ物だ」と考えている人が多いが、それは必ずしも正しくはない。一般的に、血糖値が上がりやすいのは、すぐエネルギーになるごはんやパン、めん類、果物、砂糖などの炭水化物だ。
食事療法においてごはんやパンなどの主食を選ぶときは、精製された白米や白い小麦粉よりも、吸収の遅い玄米や全粒粉を使ったパンなどが良い。炭水化物の種類によって食後の血糖値の上がり方は異なるが、玄米や全粒粉など精製されていない穀物は、炭水化物が消化されて糖に変化するスピードが遅い。そのため食後血糖値の上昇抑制が期待できる。
糖質をゆっくり消化吸収させて、血糖値の上昇を抑える「糖質スローオン」
糖質はエネルギーになりやすいので、血糖値がすぐに上昇すると考えがちだが、最近の研究では、同じ量の糖質を含む食品でも、血糖値が急激に上昇するものとおだやかに上昇するものがあるということが分かってきた。血糖値が急激に上げない食品を知って上手に生活に活かすことが、肥満や2型糖尿病の予防や、健康維持につながる。
「糖質スローオン」とは、糖質自体の制限をすることなく、糖質をゆっくり消化吸収させて、血糖値の急上昇を防ぎ、インスリンの過剰な分泌を防ぐというもの。糖質をエネルギーとして受け入れながら、太りにくい体づくりを目指すという考え方だ。
ゆっくり吸収される甘味料「パラチノース」
こうした考え方に基づいた甘味料が「パラチノース」。「パラチノース」は蜂蜜中に含まれる天然の糖質で、砂糖を原料として作られる。三井製糖が独自の技術をいかし製品化に成功した。パラチノースのカロリーは砂糖と同じ4kcal/gだが、小腸での分解速度が砂糖に比べて約5倍遅く、ゆっくり消化吸収されるため、砂糖と異なる生理学的な性質を示す。良質な味質をもち、虫歯の原因にならない安全な糖質で、食品や飲料などに幅広く使用されている。
「スローカロリー」とは、糖質の小腸での消化吸収速度がゆっくりであることをさす。吸収の早い糖は小腸の上部で素早く消化吸収されるのに対し、スローカロリーは小腸全体でゆっくり消化吸収される。パラチノースに関する研究で、食習慣改善や生活習慣対策におけるスローカロリーの評価が高まり、健康に配慮した食品や長時間体を動かす必要のあるスポーツ分野での食品、理想的なボディメイクのための食品や、パティシエが仕上げるスイーツなどでもスローカロリーの考え方が取り入れられている。
『スローオンスイーツフェスティバル』を開催
そして、このパラチノースを使った『スローオンスイーツフェスティバル』が開催される。場所は、東京の神宮・表参道・渋谷エリアを中心としたカフェ・パティスリーだ。
同イベントは、「食欲の秋だから」「自分へのご褒美として」といった理由で甘いものを食べすぎてしまう女性に向けて実施するもの。「余計なことを考えず、気軽に糖質のおいしさや満足感を楽しめる」をコンセプトに、おいしくヘルシーな「スローオン スイーツ」を提供する。
開催日時:2016年9月26日(月)~11月25日(金) ※店舗によって期間は変動
開催エリア:神宮前・表参道・渋谷および関東近郊のカフェ・パティスリー
主催:スローオンスイーツフェスティバル実行委員会
後援:三井製糖 スローカロリープロジェクト
「パラチノース」を配合したスローカロリースイーツも登場
「パラチノース」を配合したスローカロリースイーツが、東京・月島のケーキ店「パティスリーハット」で、9月1日より発売された。
フランスや国内の一流店で経験を積んだパティシエが、さらなる品質の向上と体に優しいスイーツ作りを模索し続ける中で、ゆっくり消化吸収する糖質パラチノースに着目。スイーツをより美味しくできる可能性を感じ「スローカロリープロジェクト」に賛同し、健康と美味しさを両立できる「スローカロリースイーツ」が実現した。
アーモンドパウダーをたっぷりと使用した「月島リング 焼きドーナツ」、ホワイトチョコ使用し、甘さ控えめに仕上げた「月島マダム」、しっとりしたスポンジとミルク風味の生チョコの相性が抜群の「ムッシュ月島」など、9種類を展開している。
スローカロリープロジェクト
一般社団法人 スローカロリー研究会
三井製糖株式会社