一般社団法人スローカロリー研究会

【プレスリリース】当会主催メディアセミナー「糖質とダイエット ~糖質を正しく摂取するには~」を開催しました!

2016年5月31日

 一般社団法人スローカロリー研究会(事務局:東京都港区、理事長:宮崎 滋)は、2016年5月24日(火)、「糖質とダイエット ~糖質を正しく摂取するには~」と題したセミナーをコングレスクエア日本橋にて開催いたしました。

プレスリリース(PDF) ▶


 当会理事長・宮崎滋より、会のご紹介と設立主旨、スローカロリーの概念を説明後、基調講演として、日経BPヒット総合研究所主席研究員の西沢邦浩氏に糖質制限食の現状について、当会理事・森真理(武庫川子大学国際健康開発研究所講師)氏には中高生の食生活の状況についてお話いただきました。

 その後、トークセッションとして、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝内分泌内科主任教授・宇都宮一典氏、日本獣医生命科学大学客員教授・佐藤秀美氏に登壇いただき、西沢氏を座長に「"糖質との正しい向き合い方"を考える~糖質スローオンの重要性」を医学的・栄養学的観点から議論を行いました。「糖質制限ダイエットは何が問題なのか?」「日本人は糖質を摂りすぎているのか?」「糖質って悪者なの?」「糖質との正しい向き合い方とは?"糖質スローオン"とは?」といったテーマに対し、それぞれの専門領域の見地からお話しいただきました。

 本セミナーにはスローカロリーに強く関心をもつ食品メーカーなどの企業関係者、メディア各社が約 100 名出席し、終了後にも各演者への個別質門に長い列ができました。参加者には当会が監修した「スローカロリーBOOK」や協賛各社の商品とともに、この日のために手作りされたTemps des coloris(タンデコロリ)のスローカロリースイーツが配布されました。


Temps des coloris(タンデコロリ)のスローカロリースイーツ

演者のコメント

宮崎 滋 先生

 これまでの多くの栄養学は、「糖質オフ」、糖質制限食によって、治療、あるいは健康改善をするという考えがあったが、糖質オフ、カロリーオフではなく、ゆっくりとした糖の吸収を導き出すスローカロリーの実践方法「糖質スローオン」という考え方を提唱したい。

 糖質を「量」の視点から、どのような糖質を摂れば良いか、その糖質の代謝のされ方はどうなのかという事を考えていく考え方、また、糖質をゆっくりと加えていくことによって、健康に対してどのような効果があるかという「質」の視点について、研究会として広く知らしめていきたい。

西沢 邦浩 氏

 糖質スローオンという考え方は、糖質オフなのか、糖質オンなのか。そもそも糖質はエネルギー源として大切なものだから、その場合どう摂るべきか、それはファストではなくスローだという考え方を明確にしようということである。

 野菜から食べる「ベジタブルファースト」によって食物繊維を含んだ状態で、糖質を食べることで吸収をスローにするということであり、スローカロリーの実践方法でもある。実際に野菜から食べる事で、血糖値の上昇もインスリンの分泌量も抑えられているという効果的な結果も発表されている。

森 真理 先生

 スローカロリーは、「肥満者や糖尿病のリスクがある人」「スポーツを実践している人」「中高生など若い世代」「美容や健康維持を意識する世代」、それぞれに有効である。

 食物繊維やタンパク質・ヨーグルトなどの乳製品・酢などと一緒に摂取する食べ方、食物繊維から先に食べるなどといった、食事の摂り方に食後の運動を加えて、糖質オフではなく「糖質スローオン」を実践する事が重要だということを、これから広めていきたいと考えている。

宇都宮 一典 先生

 糖質制限することより、エネルギーとは関係なく、体重が落ちたということではなく、糖質制限によって、エネルギーが制限につながったということである。総エネルギーを制限するという前提において、糖質を制限したほうが、有効に体重が落ちる可能性はある。

 また、これまで行われた糖質制限の実験はどれも、観察期間が短く、長期の安全性は確認されていない。また、期間中の脱落例は半分に及んでいるため、糖質制限が楽だというわけではない。 少なくとも炭水化物だけ制限すれば、エネルギー制限をしなくても、肥満や糖尿病がよくなるという結果を導き出すことはできない。

佐藤 秀美 先生

 糖質を減らすと、栄養バランスが崩れる。そうなると、肌荒れや、疲れやすい、免疫低下、老化の進行などが現れる可能性も出てくる。糖質は量だけに目を向けるのではなく、摂り方を考える事が大切である。

 日本人は、ご飯が主食(でん粉、糖質)、味噌汁(具だくさん味噌汁)、主菜にサバの味噌煮(たんぱく質)、金時豆、青菜の酢の物など、一汁三菜という食事のスタイルを保っている。糖質スローオンに必要な酸味のある料理やタンパク質と一緒に摂り、ベジタブルファーストで、よく噛んで食べれば、栄養のバランスが整いやすい。このように糖質を考える際には、食の工夫をすることも大切だと考えている。

開催概要

スローカロリー研究会セミナー
「糖質とダイエット ~糖質を正しく摂取するには~」

日 時: 2016年5月24日(火)15:00~16:30
場 所: コングレスクエア日本橋 ホールD
    (東京都中央区日本橋1-3-13 東京建物日本橋ビル)
対 象:メディア、食品メーカーご担当者 約100名
プログラム:
 ●ご挨拶:一般社団法人スローカロリー研究会理事長
    宮崎 滋先生(公益財団法人結核予防会理事・総合健診推進センター長)
 ●イントロダクション:
  西沢邦浩氏(日経BPヒット総合研究所 主席研究員)
 ●研究発表「若者の食生活実情」
  森 真理先生(武庫川女子大学国際健康開発研究所講師)
 ●トークセッション「"糖質との正しい向き合い方"を考える」
  宇都宮一典先生(東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授)
  佐藤秀美先生 (日本獣医生命科学大学客員教授)
  ファシリテーター:西沢邦浩氏
主 催:一般社団法人スローカロリー研究会

(2016年6月 更新)
(2016年5月 公開)